【まとめ】伊藤洋一のRound Up World Now!中国スペシャル(2022年8月)のまとめ
伊藤洋一のRound Up World Now!中国スペシャル(2022年8月)がとても興味深い話だったので、要約して残しておきたいと思います。
毎週の放送も面白いですが、柯隆さんの出演時は特に面白いのでオススメです。
(1)ペロシ米下院議長の訪台に対しては過剰反応で、中国のイメージ悪化につながるだろう
- 北京は過剰反応(混乱)し、揚げた拳を面子を保ったまま下げるのに苦労しているのではないか。
- 最大のロスは、中国の国際的(先進国)なイメージの悪化。外国企業がゼロコロナに加えて本件で中国離れ加速か。事実、日本企業も今年第二四半期3ヶ月だけで200社撤退(上海ロックダウン)している(2014年から累計1600社)。
(2)中国には今の段階で米国と正面から対峙する可能性が低い理由は2点 (軍事技術とお金)
- 軍事技術が米国と互角ではない。
- 不動産バブルが崩壊寸前でお金がいない。
(3)台湾危機は習近平総書記3期目には明らかにマイナス
(4)習近平総書記3期目に台湾侵攻は無いと思われる
- 少なくともお金がない時に戦争はない。
- 今回一番得したのは台湾ではないか。軍事演習を監視し、中国軍の情報を得たはず(普通、お金払っても自国に対する軍事演習を見せてくれないw)。
(5)海南島のロックダウンの原因は責任問題とコロナ利権
(6)中国の不動産バブル崩壊は酷い状況
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超酷い状況。日本では購入契約時に数十万の手付金、その後、鍵の引き渡し時にローン実行で開発会社にお金が流れる(トラブルになりにくい)。中国では、契約時からローン実行(建物がなくても)するのでトラブルになりやすい。
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一番立場上弱いのは、銀行。個人がローン支払いを拒否しており、不良債権化。連鎖反応が怖い。
(7)今年の成長率は3%以下だろう(目標5.5%)
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5.5%の目標に対して、上期は2.5%。下期は良くて3~4%。
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問題は失業率、特に若年層の2割が失業しているのは問題で、犯罪が増え、不満がたまる。
(8)中国が投資適格国でなくなり、日本を含む西側諸国は新たなサプライチェーン構築を進める
(9)世界的なインフレの原因は複合的で、落ち着くまでには数年
- インフレは複合的な原因があり、サプライチェーンの再構築で流通の停滞、ウクライナ戦争、日本ではゼロ金利政策。落ち着くには3年単位になるだろう。落ち着いた頃には、西側諸国の新たなサプライチェーンが構築されていると思われる。
(10)その他
- 中国が米国や台湾に向けて切れる外交カードがない(のに強がっている)。
- ゼロコロナで潤っている人(製薬会社、防護服着ている人、ホテル、など)がいる限り、ゼロコロナはやめにくい。火事場泥棒精神が根付いている。
- 今の政権になってから、締め付けはしても、システムの整備を行なってきていない。コロナや不動産バブルについての政府からの説明もない。人民は混乱する。
- 権力を握るのは相当気持ちが良く、退任後の仕返しもある可能性があるので、自ら手放すことは考えにくい。