【成長戦略実行計画案 令和3年6月2日のキーワードチェック】
令和3年6月2日 成長戦略会議から成長戦略実行計画案について、重要と思われることをまとめてみました。
経済成長には生産性向上
2010年代の日本の経済成長率は1.1%であったが、これは主に労働参加率の向上によるもので、労働生産性の向上は緩やかである。これは日本企業が付加価値の低い、薄利の製品を作っているためである。労働生産性の改善にはイノベーションが必要であり、「デジタル」と「グリーン」に集中投資する。
「デジタル」
- デジタル人材の育成に取り組みます。
- 5G、6Gの情報通信インフラを整備します。
- 自動車の完成検査のAI化、建築の外壁調査のドローン化等が可能になるよう規制改革します。
「グリーン」
燃料としての水素・アンモニア利用の促進
合成メタン(水素+CO2)の利用準備
自動車の水素、電池利用促進。そのためのインフラ(水素ステーション、急速充電設備)整備実施。
CO2吸収コンクリートの普及
住宅の省エネ化、長寿命化、次世代送電網の構築
小型モジュール炉技術の実証、核融合研究開発等を進め、多様な原子力技術のイノベーションを加速
いろんな分野(船舶、物流、建設、農業等)でカーボンニュートラル目指す
*炭素多排出産業:鉄鋼、化学、製紙・パルプ、セメント、電力、ガス、石油等
航空機の電動化、水素化等で技術的優位性の確立を目指す
「人」
フリーランス、テレワーク、副業、労働異動の円滑化、などを促進
「技術」
技術の育成:宇宙、量子、AI、スーパーコンピューター・半導体、原子力、先端素材、バイオ(医薬品)、海洋(レアアース)、電池、等
「中小企業」
海外展開支援、事業再構築補助金
「個別分野の制度改革」
自動配送ロボット、電動キックボード、ドローン、キャッシュレス決済が使えるよう、制度改革
「農林水産業」
輸出目標2025年 2兆円、2030年 5兆円
全体的な印象
全体的に、「グリーン」推しで、その中でも「水素」推しでした。
終身雇用は終了し、各労働者が自分で考えてキャリアを選択していく必要がありそうです。
その他、目新しい議論はありませんでしたが、政府の方針を理解する上で短くてわかりやすい資料です。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai12/siryou3.pdf
一読しておくと、日々の仕事の中に出てくるキーワードと関連するものがあったり、学びがあるのではないでしょうか。