【書評】あるニセ占い師の告白
こんにちは、好奇心夫婦の又蔵です。
今回は、石井裕之著 あるニセ占い師の告白です。
★★★★☆
この本は著者が用いているコールドリーディングという騙しのテクニックの特徴を、架空の占い師ジョンWカルヴァーさんが書いた本、という体で紹介する本です。
"コールドリーディングとは、ニセ占い師やエセ霊能力者が、「あなたの過去/現在/未来は、私にはすべてお見通しだ」と信じ込ませるための、騙しのコミュニケーションテクニックのことです。「何も準備なしに、その場で、相手の過去/現在/未来を占うこと」という意味になり、「トリックや話術を駆使して、相手の過去/現在/未来を占ったように錯覚させる技法」なのです。”(本書より抜粋、一部改変)
コールドリーディングは正しく使えば、日常の仕事や人間関係に健全に行かせるのに対し、騙すという点においては悪用することも可能だということです。
例えば、霊感商法などの詐欺に使うことも可能。
では、我々一般消費者がこれらの詐欺に騙されないためにはどうしたらよいのでしょうか?
それは、
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
です。
①まずは、彼ら、占い師や霊感商法詐欺師がどのような手法を用いて我々を騙しているのかを知ることです。
そうすることで、彼らがコールドリーディングを仕掛けてきたときにそれに気がつき、冷静に対処することが可能となります。
②また、本書でも述べられていますが、騙される人は、騙される理由があるのです。
それは、その人の弱み(隙)の問題です。
そもそも占いに行くというのは、自分の人生を自分で選択するのを放棄する行為であったり、自分の悩みを相談する行為です。また、ただ単に話をしたい、話を聞いてほしいだけの人もいるでしょう。
占い師の立場からすれば、ちょっと背中を押せば占いに来た人は自分からペラペラと個人情報を話させるのが容易な人なのです。
つまり、占いに行く時点でカモ候補。
心が弱っている→狙い目ということです。
自分の心の状態を常にモニタリングし、早めに処置をして心を整え、占い師頼らない心づくりが肝要となります。
あと、「金を儲けたい」とか「偉くなりたい」とかそういう欲望も心の隙を生みます。
欲が人を苦しませるのです。
ネットで多い「簡単にお金儲け!」みたいな話に騙されないように、日頃から心の鍛錬と情報収集が大事ですね。
①については、本書で幾つかの手法が物語形式で紹介されています。
物語形式かつ、内容もそれほど濃くないので
「コールドリーディングってそういうことなのかー」くらいのことを知りたい人にはぴったりだと思います。
さらりと読める本なので、良かったら読んでみてください。
ではでは。